業界神話にダマされないための、選定基準と考察ポイント

EPC業者の判断は正しいか?

太陽光発電所建設の各選定において、最も重要なプレーヤーは、
設計(Engineering)調達(Procurement)建設(Construction)をおこなうEPC事業者です。
しかしながら現状では、EPC業者が重要な点を考慮せず選定を行っているケースが大半です。

なぜこのような事態が発生しているのでしょうか。
他にどのような注意点があるのでしょうか。

太陽光発電所の建設の工程

太陽光発電所の建設は、5つ選定の組み合わせです。

1)太陽光パネルの選定 2)インバーター(通称パワコン)の選定 3)架台の選定 4)工事会社の選定 5)メンテナンスの選定

しかし、各設定項目で、それぞれに業界神話が存在し、発電量の最大化の障害となっています。

太陽光パネル選定のポイント

パネル選定における一般的な選定基準は、

1)パネル出力​ 2)パネルメーカーの国籍​ 3)保証期間(メーカーにより10~25年)​ 4)保険加入の有無(メーカー倒産時の保険)​ 5)PID問題へのへの対策​ 6)パネル価格

という項目で選定している事例が大半です。
しかしながら、これらの項目だけで選定するのは本当に大丈夫なのでしょうか?

太陽光パネルにおける日本神話の崩壊

太陽光パネルは日本製が優れているので安心」という声はよく聞きます。
しか​し実態は、それとは大きくかけ離れています。

【一般的に見逃されがちだが、重要である点】 1.初期不良の存在 2.メーカー公称出力(カタログ値)と、実際の発電量の違い 3.出力交差が意味するもの 4.保険加入だけでは不十分。どこの保険会社か。

産総研(独立行政法人・産業技術総合研究所)がパネルの故障や劣化についての研究結果を発表しています。
  それによると、設置後5年間で約3%のパネル交換が発生していたことが判明。

⇒ 北海道稚内市でのNEDO(独立行政法人・新エネルギー産業技術総合開発機構)の実験場においても、
  パネルの初期不良が2~3%発生していたことが判明。

パネルの不良品対策は?

サーモグラフィーカメラで撮影した太陽電池。赤い部分が異常発熱している箇所。

パネルの不良品を発見することが困難なおおきな理由は、
よほど大きな不良が発生して全体の発電量に顕著な低位が発生しない限り、
不良の発生を知ることができない点にあります。
(※ 売電額に顕著な変化が出ない限り、判明いたしません

パネルが劣化しているかどうかを、目で確認はできません。
そこでメインテナンス業者は、専門の機器を使って調査をします。

しかしながら、それでは不十分です。

2~3%発生する初期不良は、メインテナンスの問題ではなく、
パネルメーカーの製品出荷体制に問題があるのです。

なぜ初期不良品が出荷される事態が発生するのか?

太陽光パネルを出荷する前に、各パネルメーカーは「電圧テスト」を義務付けられています。
しかし(ここが重要です)「電流テスト」は義務付けられていません。

稀に、電圧は問題ないが、電流が流れない不良品が発生することがあります。
そこで電流テストには、​「EL検査」​が効果的です。EL検査とは、太陽光パネルにレントゲン撮影をするような方法です。
この検査により、パネルの初期不良を最大限に減らすことができます。
しかし多くのメーカー(国産メーカーを含む)は、EL検査を行っていません。

EL検査画像(電流印加後)

初期不良品が怖い点は、太陽光発電所のオーナーも、工事施工業者も初期不良が存在することを考慮していないため、
不良品のために発電量が最初から少ない発電量であっても、それが解らないことです。

それだけでなく、初期不良のある最初の発電量が基準となり、そのまま運営していくことになります。
そこで、ずっと初期不良の存在に気付くことができないのです。

つまり、初期不良が発見されない構造となっているのです。​

日本製だから安心というものではありません。大手メーカーだから大丈夫、という単純な話ではないのです。
中国製であっても日本製であっても、どれだけメーカーがきちんとした検査を行っているかが非常に重要なポイントとなるのです。

その他、パネルの公称出力や保険について、考慮しなければならない点はまだまだ沢山あります。

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